BSE問題をわかりやすく解説

牛肉の知識

今回は「BSE問題」についてわかりやすく簡単にまとめてみました。

「BSE」とは何か?

世間にどんな影響を与えたのか?

現状はどうなのか?

など、いろんな観点で見てみましょう。


BSEとは?

そもそも、皆さんは「BSE」という言葉をご存じでしょうか?

BSEとは、「牛海綿状脳症」という牛の脳の病気です。

具体的には、異常プリオンという病原体が牛の脳に蓄積し、その結果、脳がスポンジ状になってしまう病気です。

この病気にかかると牛は、異常な行動をしたり、運動失調になったりして、やがて死んでしまうとされています。

この異常行動などの症状から、「狂牛病」と呼ばれることもあります。

2001年9月に、日本で初のBSE感染牛が発見され、その後も各地で36頭の感染牛が発見されました。

2003年には、カナダ、アメリカでも発見され、輸入規制の問題にも発展しました。

BSEの感染拡大は、世間に大きな影響を与えることになってしまったんですね。

どのようにして感染は拡大したのか?

では、どのようにしてBSE感染は拡大してしまったのでしょうか?

実は、牛を肥育するための「餌」に原因があったのです。

牛の餌には牧草や穀物以外にも、「肉骨粉」というものも使われています。

肉骨粉とは、

牛や豚などの家畜から食肉をとった後の骨や内臓、皮などの「食用として利用できない部分」を加熱処理して、乾燥させ砕いたものです。

この「食用として利用できない部分」には「脳」も含まれていること、

BSEの病原体である異常プリオンは、空気感染や飛沫感染する性質ではないこと、

これらのことから、

BSEに感染した牛由来の肉骨粉を餌として食べることで、感染が拡大してしまった

という結論にいたりました。

どんな影響があったの?

では、BSEの拡大による影響はどのようなものだったのでしょうか?

食肉関連企業の倒産

やはり経済的な面では、大打撃でした。

BSE関連で倒産した企業が64件、そのうち75%が食肉関連企業だったと当時の新聞では報じられていました。

その後も数年間、食肉業界は、牛肉の需要が激減した中で苦しい経営を強いられてしまいます。

食肉偽装事件

後の方で書いていますが、BSE対策として、日本政府による牛の「全頭検査」が実施されることになりました。

そして、「その検査の前に出荷されてしまった牛肉は政府が買い上げる」

という、救済措置もとられました。

しかし、この措置が裏目となり、とある企業による食肉偽装が発覚してしまいます。

輸入した外国産の牛肉を国産と偽って、あたかも検査の前に仕入れていた牛肉かのような偽装をし、政府による買い上げの申請を行っていたのです。

このように、不正に国からの救済を受け取ろうとする食肉偽装事件がいくつも発生するようになってしまいました。

輸入規制

外国でのBSE発生による影響も大きいものでした。

2003年にカナダ、アメリカでBSEの感染牛が発見されると、それぞれからの輸入が禁止になりました。

これにより、外食産業にも大きく影響を及ぼしました。

大手牛丼チェーン店「吉野家」では、牛丼を廃止し、豚丼を新メニューとして提供するようになったことは有名ですね。

この輸入規制は徐々に緩和されてきて、最近ではまた外国産の牛肉をよく見かけるようになりましたね。

対策と現状

BSEに対しては、国を挙げて対策がとられした。

特定危険部位の除去

BSE病原体の異常プリオンは「脳」の他に、「脊髄」「回腸の一部」などにも蓄積してしましうことがわかっています。

それらの部位は「特定危険部位」と呼ばれ、除去と焼却が義務付けられました。

BSE検査

牛は、と畜の際、

「生体検査」→「解体前検査」→「解体後検査」という三段階の検査によって、BSEはもちろん、様々な牛の病気を検査し、出荷される牛の安全性が確かめられます。

これと同時に「BSE検査」が行われます。

BSE検査とは、解体時に除去された牛の脳の一部を採取してBSE病原体が検出されるかどうかを調べる検査です。

発生当初「全頭」に対して行われていたBSE検査は徐々に見直され、現在は、

上記の三段階の検査で異常が認められなかった「健康牛」に対しては、BSE検査は廃止されました。

しかし、「検査の廃止」と聞くと不安がよぎりますよね?

ただ、BSE検査はBSEの現状を調査するためのもので、必ずしも安全性を確保する検査ではありません。

BSE病原体が検出されないであろうと判断される健康牛に対する検査はあまり意味がないとされたのです。

あくまで安全性は、「三段階の検査」や「特定危険部位の除去」によって確保されるということです。

飼料規制

BSEの感染拡大の原因である「肉骨粉」にも対策がされました。

BSEが国内で発生してから以降、「肉骨粉」を牛の餌として使用することが禁止されました。

これは、現在でも継続されています。

現状は?

日本では、2002年に発見された牛を最後に現在までBSE感染は発生していません。

また、トレーサビリティ法という法律が定められました。

これは国産の牛一頭一頭に10桁の個体識別番号をつけて、出生、肥育、と畜、流通、販売といった履歴を追跡できる仕組みを導入するというものです。

流通、販売の際には、個体識別番号の表示が義務付けられています。

これによって、消費者の食肉に対する不安を解消できると考えられました。

牛の個体識別番号とは?

人体への影響は?

人体への影響に対しては、誰もが気になるところかと思います。

結論からいうと、「人体への影響はある」と考えられています。

クロイツフェルト・ヤコブ病という「人間の脳」の病気をご存知でしょうか?

これは、BSE同様、脳がスポンジ状になり死に至るという病気で、BSE発生以前から確認されていたのですが、BSE発生前後で、以前とは少し違う特徴がみられれることがわかりました。

この状況から、BSEが人に感染した可能性が認めらるようになったのです。

感染の可能性がある以上、BSEに対して上記の対策が徹底され、発生していない現状を維持することが重要なのです。


まとめ

では、簡単にまとめみましょう。

  • BSEとは、牛の脳の病気で、「狂牛病」とも呼ばれる。
  • BSEの感染拡大によって、「食肉関連業者の倒産」や「食肉偽装」、「輸入規制」など様々な影響があった。
  • 対策として、「特定危険部位の除去」「BSE検査」「飼料規制」が行われ、さらにトレーサビリティ法が制定された。
  • 日本では、2002年に発見された牛を最後に現在までBSE感染は発見されていない。
  • 人体への影響はあると考えられるため、食肉の安全管理体制の徹底が重要である。

以上、BSE問題について簡単にまとめてみました。

最後まで、ありがとうございました!

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