粗利ミックスとは?

経営のお話
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適正な粗利は?

会社やお店を運営していく上で、粗利率を適正に保つことは基本中の基本です。

どれだけ売上が多くても原価が高すぎると手元にお金は残りませんし、原価を下げようと無理をすれば品質の低下を招くかもしれません。

しっかりと試算通りにコントロールされた粗利率で運営していくことが大事なんです。

では、しっかりとコントールされた粗利率とは具体的にどういうことなんでしょうか?

粗利率70%に設定された飲食店があったとして、すべてのメニューが70%になるように、仕入や値段設定をすれば良いのでしょうか?そうすれば、どのメニューがどれだけ売れても、お店全体の粗利率は必ず70%になりますよね?

極端に言えば、それができて運営が成り立つならベストだと思います。

しかし現実はそんなに単純ではなく、

例えば、

「どうしてもお肉の仕入値が高くて、そのお肉を使ったメニューの粗利率が60%になってしまう」

とか、

「すごく安い仕入ルートを見つけたけど、メニューの値段はそのままにして粗利率80%まで上げることができた」

といったように、良くも悪くも単品ごとの粗利率は、全体の粗利率と同じではありません。それが普通です。

それに、せっかく粗利率の高いメニューを作ったのにあまり売れなかったら、全体の粗利率はどうなるのでしょうか?

たくさん売れてるけど、粗利率の低いメニューばっかりなんてことも・・・。

なかなか難しそうな話になってきましたね。

では、どうのようにして全体の粗利率をコントロールすればよいのでしょうか?

相乗積とは?

皆さんは、相乗積という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

辞書なんかで調べると、「二つ以上の数を掛け合わせた値」みたいな感じで載っています。

簡単にいうと「かけ算」なんですが、

どうしてこんな数学みたいな話をするかというと、もちろん粗利率のコントロールに役立てるためなんですが、具体的にどういうことか説明していきます。

ある飲食店の例を見てみましょう。

メニュー粗利率構成比相乗積
とんかつ定食70%20%14%
ハンバーグ定食75%25%18.7%
ステーキ定食60%15%9%
焼肉定食65%15%9.7%
サラダ85%10%8.5%
ソフトドリンク90%10%9%
生ビール60%5%3%
71.9%=全体の粗利率

粗利率・・・メニュー単品の粗利率

構成比・・・売れたメニュー全体のうち、そのメニューがどのくらいを占めているかの割合

相乗積・・・粗利率✕構成比

ここでのかけ算、つまり「相乗積」は、「粗利率✕構成比」です。

そして、その相乗積の合計が、全体の粗利率になるわけです。

なぜそうなるか、ほんとに数学のお話になるので、上の表に違う数字を入れて比較したほうが、感覚的にわかりやすいかと思います。

メニュー粗利率構成比相乗積
とんかつ定食70%20%14%
ハンバーグ定食75%15%11.2%
ステーキ定食60%25%15%
焼肉定食65%15%9.7%
サラダ85%10%8.5%
ソフトドリンク90%10%9%
生ビール60%5%3%
70.4%=全体の粗利率

ハンバーグ定食とステーキ定食の構成比を変えてみました。

ハンバーグ定食(粗利率75%)  構成比25%→15%

ステーキ定食(粗利率60%)    構成比15%→25%

すると、全体の粗利率が下がっています。

つまり、粗利率の低いメニューが多く売れると、全体の粗利率は下がるわけです。反対に、全体の粗利率を上げるためには粗利率の高いメニューを多く売ばいいんです。

それぞれのメニューの相乗積を、全体の粗利率に対する「貢献度」と捉えるとわかりやすいですね。

粗利ミックスで粗利率をコントロールする!

このように、

「粗利率の低い商品」と「粗利率の高い商品」組み合わせて、全体の粗利率をコントロールする考え方を

「粗利ミックス」

と言います。

粗利ミックスは、

先ほどの「粗利率が60%になって・・・」や「80%まで上げて・・・」などの単品ごとの粗利率のぶれがあっても、それらがどれくらい売れたかを計算して全体像を見せてくれます。

商品それぞれの相乗積、つまり、貢献度が低い商品については、廃盤にするというのも一つの手段です。

その分のお客さんが貢献度の高いメニューに流れるわけですから。

また、貢献度を上げる方法としては、

その商品自体の粗利率を上げるように原価を抑える工夫をしたり、粗利率の高い商品の構成比を高くするために販売促進の広告を打つなどが考えられますね。

分析の例としては、

上記の飲食店だと、生ビールが売れるようなお店ではないということが構成比から読み取れます。

5%しかありません。構成比が低いなら粗利率をと、生ビールの粗利率を上げようと努力してもあまり意味がありません。

なぜなら、粗利率が60%→63%になっても、貢献度は3%→3.1%程度しか改善されないからです。

それなら、ハンバーグ定食の粗利率75%を78%にしてみましょう。

貢献度は、18.7%→19.5%と大きく変わります。

つまり、何がお客さんに求められているのか、どのメニューがお店の貢献しているのかを見極めることが大事なんです。

「構成比が高い=お客さんからの支持がある」と考え、そのメニューの粗利率改善に努力するべきです。

このように、粗利ミックスは、経営には欠かせない考え方なんです。

まとめ

粗利率の高い商品と低い商品を組み合わせて全体の粗利率をコントロールする「粗利ミックス」という考え方がある。

商品単品ごとの「粗利率✕構成比」の値が「相乗積」であり、すべての商品の「相乗積の合計」が、全体の粗利率となる。

「相乗積」は全体の粗利率に対する「貢献度」と捉える。

商品ごとに粗利率が高かったり低かったりするが、構成比によって、全体に対する貢献度は変わってくるため、より理想の粗利率に近づくように経営戦略を立て、コントロールすることが大事。

以上、粗利ミックスについて簡単にまとめてみました。

最後までありがとうございました!

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